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zoom RSS ガンダム小説 「連邦軍の星」 第一話

<<   作成日時 : 2009/12/06 13:58   >>

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        連邦軍の星(第一話)
                         著   Aesop=YASAMA
                      
 *はじめに:この物語は、’86〜’87にかけて、某HJ誌に連載されたフォトストーリー企画「ジオンの星」をリスペクトして作られた「若き連邦のエース―イソップ=ヤサマ中尉の活躍を描いた、作者のオリジナル設定も少々交えたドラマ」である。
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 コクピットハッチを開けると、俺は勢いよく乗り込みノーマルスーツ背部のバックパックをリニアシートの背もたれに固定した。既にコンソールに火は入っている。
 全周スクリーンに部下のゲルググとレイザックが映っていた。
 「ゴムノキ曹長、そんな旧式で大丈夫か?」
 ゲルググ・パイロットのゴムノキに俺は訊いた。
 彼は腕は確かなのだが、いつも出過ぎた真似をするため命令違反と見なされ懲罰として、とうとう乗機をそれまでのハイザックから一年戦争の忘れ形見―ゲルググに格下げされてしまった。
 上の連中は彼に「死ね」と言っているようなものだ。
 「中尉、なあに大丈夫です。外観は旧式だろうと、それなりに改良しています。ランドセルはマラサイ・タイプのものを装着してもらいましたし、このコクピット、リニアシート方式じゃないのが自分は気に入っています。まるで一年戦争のころのようで・・・。とにかく、腕には自信があります!機体性能の差は腕でカバーします!!」
 「そうか、良い心掛けだな。・・・ハート伍長、そちらの調子はどうか?」
 「はっ、完璧であります。これならエゥーゴのバカたれどもを撃滅できます」
 「俺のバーザムも良好だ。では、出撃するぞ!」
 「了解!」
 俺と二人の部下は、アーガマ撃沈の為の特務小隊として発進した。
 俺の名は、イソップ=ヤサマ、栄光ある地球連邦突撃機動軍第44独立機動戦隊の隊長である。
 我々の任務は、現在小惑星帯を航行中のアーガマに奇襲を掛け、これを撃沈もしくは壊滅的打撃を与える―というものであった。先陣のジェリド中尉(彼はティターンズだが)がしっかり任務を果たしてくれていれば俺達が出ることもなかっただろうに。
 
 俺は、戦争があまり好きではなかった。一年戦争のときも「金がかからないから」という理由で軍学校にいたのを、非常時ということで急遽正規軍に編入されて兵隊になったのだ。それ以来パイロットとしての能力を認められてか、ずっと軍に籍を置かせられている。依頼ではない、強制なのだ。だから俺には、自らの意思で軍に入り好き勝手に戦争を起こしているエゥーゴの連中が信じられなかったし、憎かった。前大戦のジオン兵に対しては哀れみのひとつも感じたが、今度のエゥーゴに対しては違う、見つけた奴は殺す―それだけだった。恐怖といえば「自分の死」だけであった。
 だが、部下のゴムノキ曹長は違う。彼は戦闘を楽しんでいるのだ。一年戦争のときも、そして今も、「死の恐怖、殺しの恐怖」などというものは一切考えず、まるで遊びのように楽しんでいる。彼にしてみれば、軍にいるのが楽しくてしょうがない、という様子だった。
 一方のハート伍長のほうは全くわからない。軍に入った理由も、好戦的かそうでないのかも。
 だが、彼は俺の出す命令を確実にこなす有能な、そして頼れる部下だった。

 「アーガマ捕捉。現在の速度で45秒後に接触します」
 索敵能力に優れたハートのレイザックから通信が入った。レイザックは長距離支援用の、肩に二門のレーザーキャノンを持つモビルスーツだ。RMS−106ハイザックの発展型実験機で、型式番号はRMS−106Lという。
 今回の作戦は、このレイザックに長距離支援させつつ、俺のバーザムとゴムノキのゲルググでアーガマに急接近しブリッジを潰す、というものであった。
 「ハート、貴様のレイザックはここに固定。岩を巧く使うのだぞ。出来るな!」
 「はっ、中尉」
 「よし、では俺とゴムノキで行く」
 「はっ、中尉、御供します!」
 「行くぞ!!」
 俺とゴムノキはスラスターを全開にし、岩陰から飛び出した。アーガマは目前である。我々をキャッチしてか、すぐさま対空砲火が来たがそう当たるものではない。俺もゴムノキも難なくすり抜ける。続いてモビルスーツらしいのが出てきた。“ネモ”とかいう奴だ。数は4機。俺たちを相手にするには、ちと少ないようだ。
 「ゴムノキ、雑魚はお前に任せた。俺はアーガマを殺る」
 「了解、中尉」
 と応えたゴムノキの声は嬉しそうだった。彼にしてみればただでかいだけの巡洋艦などより、ちょこまかと抵抗してくれるモビルスーツのほうが遥かに倒し甲斐があるのだろう。
 俺は任務を遂行する。ギリギリまでアーガマに近づきブリッジに照準を合わせる。
 「死ね、エゥーゴのバカどもめ!!」
 俺がトリガーボタンを押そうとしたときだった。
 一条の閃光が、バーザムの右肩から下を無きものにした。
 俺は第二射に備え、回避行動をとると左手にビームサーベルを構えた。闇の彼方からビームを放ちつつ向かってくる白い光点。
 「奴が、Zガンダムか!?」
 その機体は、我が連邦軍にとって最強にして最悪の敵―Zガンダムであった。
 「我が連邦の名機『ガンダム』の名を語る紛い物め!失せろ!!」
 頭部に装備したオプションのバルカンを全弾撃ったが駄目だった。こちらも相手のビームをかわしながらなので狙いがつけにくい。第一、バルカンではあのカスタムメイドの新鋭機に対して、たとえ当てても大した損傷は与えられないだろう。やはり接近戦に持ち込むしかないのか。ライフルを持った相手の懐に飛び込むのは至難の技だったが、俺は強攻した。
 右に左に、絶妙なタイミングで奴のビームをかわし、距離を縮める。
 Zの懐に飛び込んだ。
 「この距離ではライフルは撃てまい」
 俺は、しめた、と思った。が、それは甘かった。俺が接近したと同時に先程までビーム弾を放っていた奴のライフルからビーム刃が発生し、バーザムの左腕を切り落とした。
 「しまった。あんな仕掛けがあったのか!」
 俺は歯噛みした。
 もはや奴のビームがバーザムのコクピットを貫通するのを待つだけだった。死の恐怖が俺を襲った。
 そのとき、黒い何かがZに体当たりした。Zとその何かが絡み合ったまま俺から遠ざかって行く。あれは・・・あれはゴムノキ曹長のゲルググ。俺がZ1機を相手にしている間にかなりの敵と戦ったらしい。ネモ4機だけではなかったのだ。ライフルもサーベルも使い果たしたのか持っていない。
 「ゴムノキ、もういい。Zから離れろ!」
 「中尉、中尉のバーザムでなら・・・」
 2機が離れた。ゴムノキが離れたのではなくZに蹴飛ばされたらしい。
 続いてZのライフルからビームが発射される。
 宇宙の闇に溶け込む蒼いゲルググが、赤い熱塊と化し四散した。
 「ゴ、ゴムノキーッ!!」
 それが、彼の―我が友ゴムノキの最期だった。俺を助けるために、あの戦争好きで人情のかけらもないような男が・・・。
 俺はゴムノキの仇を討ちたかったが、どうしようもなかった。バーザムには一切の攻撃手段が無かったのだ。
 「ハート、帰還する。作戦は失敗だ」
 撤退命令を出し、ハートのレイザックと共に帰還するのがやっとだった。

                                                               続く  

あとがき(のようなもの)
 ここまで、読んでくださりありがとうございます。
 実はこの小説は、1987年私が高校二年の夏休みに10日掛かりでフルスクラッチのバーザムを完成させた喜びのあまり筆を走らせ(当時は周りの友人数人に読ませただけでした)、89年になって大学に入ってから所属する模型研究会の会誌に掲載すべく活字化されたものです(一部機体名称など、今回改めている箇所はありますが)。
 連邦に「突撃機動軍」は無いのですが、元ネタの「ジオンの星」が「ジオン公国突撃機動軍第13独立中隊」なのでそれにあやかりました。
 連邦軍の軍学校が授業料無料かどうかは知らないのですが、日本の自衛隊だと無料というかむしろ給料がもらえるくらいなのでそんなものかな、と。
 今回の第一話は時間軸的にはTV版でジェリドがガブスレイで特攻をかけた直後あたり、ということになっています。
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UC0087版ゲルググ(ゴムノキ曹長搭乗機)
既に7年前の機体ということで旧式化は否めないが、もともと互換性のあった背部ラッチを改造することにより今日的レベルの「マラサイ・タイプ」ランドセルの装着が試みられている。
肩にアナハイムのマークがあるのは、ランドセルやライフル等、改修にアナハイムエレクトロニクスが関わっているからである。

 *模型の詳しい解説は前記事にありますので、どうぞご参照ください。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
HGUCゲルググ(UC0087地球連邦軍仕様)
2009年10個目の完成品です。実は構想自体は22年前からあったもので、私のオリジナル小説「連邦軍の星」の主人公の僚機です。一年戦争後に連邦軍に接収された機体を改良して使っているという設定です。プロポーションはさすがHGUCということで特に改善すべき箇所も無かったので弄ることはしませんでした。連邦軍らしさを出すため、左手のシールドはHGUCハイザックのものを、取り付け軸を少々加工して取り付けました。「44」は部隊ナンバーです。小説中の設定どおりマラサイのランドセル(ちょうどスラッシュマ... ...続きを見る
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2009/12/06 14:01

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ブログ村の二次創作小説から来ました。

読みやすい文書だと思います「ナイス」を
入れておきました(笑)

また、何か書いてみて下さいね。    では!!
いちごわさび
2009/12/12 11:53
ありがとう〜ございますぅぅぅ〜〜♪
身内以外で「小説」にコメントいただいたのは初めてなので喜びもひとしおです!
第二話以降も、もちろんアップしていく所存でございます。あと、既読いただいているかもしれませんが、当サイトトップの説明の最後にも既にアップしている小説へのリンクも張ってありますのでそちらもご参照いただければ幸いです。
Aesop
2009/12/12 17:27

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