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zoom RSS ガンダム小説 「連邦軍の星」 第二話

<<   作成日時 : 2009/12/23 21:06   >>

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           連邦軍の星(第二話)
                                著   Aesop=YASAMA

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 あれから二週間が過ぎた。総帥のジャミトフ閣下を失った我が連邦の精鋭部隊―ティターンズの勢力は弱まり、新たに出現したジオンの残党―アクシズも加わって、我々地球連邦軍は窮地に追い込まれていた。
 俺はといえば、この二週間の間、ちまちまとした小競り合いを繰り返し戦果だけは上げていた。
 そんな俺もいつしか周りから「青い脈動変光星のイソップ」とあだ名されるようになっていた。「青」はもちろん俺の乗機バーザムの塗色からきたのだろうし「脈動変光星」というのは、俺の戦果が周期的に大小を繰り返していたという点から付けられたのだろう。
 このあだ名に関してはまんざらでもなかったが、Zガンダムとの交戦の機会に恵まれなかったのが不満だった。

 「今日も奴には出くわさなかったな」
 俺の所属する小惑星基地―“アークツルス”の哨戒の任務に就きながら、俺は呟いた。
 全周スクリーンにはいつもながらの星空が映っているだけだった。
 「Zガンダム、でありますか?」
 僚機のハート伍長だ。彼はハイザックの長距離支援用実験機―RMS−106Lレイザックに乗っている。
 ゴムノキ亡き後も、俺たちの小隊としての活動は続いていた。元々ゴムノキと俺の機体に性格的な差は皆無に等しかったのだから戦力規模が縮小されただけのことだ。というよりも現在のような劣勢下では、兵員の補充もままならない、というのが正直なところだろうか。
 「そうだ、あの憎き紛い物を倒すまでは死んでも死に切れん」
 「ですが中尉、あのエゥーゴの新鋭機、相当強いらしいですよ。パイロットも良いらしいし、中尉の腕は認めますがバーザムで勝てますかね」
 「今度は・・・殺られる前に殺る!・・・おっと、そろそろ推進剤が危ないな。基地に還るぞ」
 強がってはみたもののZガンダムとバーザムの性能差は、前の交戦時に痛いほど分かっていた。本来なら「ガンダム」の正当な後継機である「ガンダムMkU」の量産化バージョンである我がバーザムこそ「〜ガンダム」を名乗るに相応しいはずなのに。ゴムノキにしても、その機体性能の差が大いに災いしたことは明らかだった。
 
 哨戒を終え、くつろいでいた俺たちに急遽出撃命令が下った。
 付近を航行中の補給艦ポラカントスが、アクシズの攻撃を受けているというのである。
 「推進剤は大丈夫か?」
 メカニックに話しかけつつ、俺はバーザムのコクピットに収まった。スクリーンに整備ドック内の情景が映し出される。
 俺の後方にはハート伍長のレイザック。他の小隊のハイザックもスタンバっているようだ。
 今回の相手はアクシズだ。前作戦のときはハート伍長に手柄を譲っておいた(本当は違うのだが)せいもあってか、俺はかったるい気持ちでバーザムを射出用カタパルトに載せた。ジンクスどおりなら今度は楽勝になるはずなのだ。
 「イソップ=ヤサマ、バーザム、出るぞ!」
 急激なGと共にバーザムは射出された。
 スロットルペダルを踏み込みスラスター出力を上げる。
 一気に背景が暗黒の宇宙へと変わった。
 ハート伍長も出てきたようだ。別小隊のハイザックおよびマラサイが続く。
 目標のポラカントスが見えてきた。ポラカントスは艦自体にモビルスーツ製造設備(といっても大量生産というわけではなく、試作機などのごく少数の製造である)を持つかなりの大型艦である。
 望遠カメラでズームアップすると、かなりの損傷を受けているようだ。わずかながらに装備されているメガ粒子砲も、今、最後の一門が破壊された。
 敵は・・・ディスプレイの表示を視ると、「AMX−003」―アクシズの量産型モビルスーツだ。ガザCというらしい。右胸部に妙な大型ランチャーを抱えている。
 数は十機は下らないだろうが、あの形は対艦攻撃には向いているが、対モビルスーツ戦、殊に接近戦には不向きとみえる。この程度の機数格差なら十分に勝てる。

 「ハート、援護を頼むぞ!」
 「了解です。中尉」
 他の小隊も攻撃を開始したようだ。
 敵も我々に気付いたらしい。ビーム光が脇を掠める。
 目前のガザCにビームバズーカの照準を定めるとトリガーボタンを押した。
 命中。まず一機。
 右下方から三機の編隊が接近。素早く左に回避すると後方に回り込み、片っ端からビームをぶち込んでやった。
 「あんなものが、よくモビルスーツといえたものだ」
 余裕の出てきた俺は悪態をついていた。
 真正面から一機。よくものこのこと。
 「なに!?」
 そいつを撃つとその後ろにもう一機のガザCが・・・。昔懐かしのジェットストリームアタックの真似事らしい。
 だが、その二機目のガザCのビームは俺に向かって発せられることはなく、代わりに俺の斜め後方から二条のレーザー光がそいつを亡きものにした。ハート伍長だ。
 「中尉、無事ですか?」
 「ああ、貴様のおかげでな」
 「あらかた敵は片付きましたが我方もかなりの損害です。他の二小隊はそれぞれハイザック一機ずつが撃破され、隊長機も小破、アークツルス基地までは持ちそうにないのでポラカントスに着艦するようです」
 我々44機動戦隊も他小隊に倣い、ポラカントスに着艦することにした。
 ポラカントスのモビルーツデッキにバーザムを固定すると、俺はコクピットを後にした。
 内部は外装のやられ方の割にはさほど傷ついてはいない。アクシズの連中はポラカントスの撃沈が目的だったのではなく、なにか内部のものを狙っていたのだろうか?
 デッキを歩いていた俺は、一番奥にある青いモビルスーツに目が留まった。他の二小隊のものでもないし、ましてやハート伍長や俺のものでもない。
 「こっ、これは!!」
 外装から判断するとハイザックやマラサイのようなザク系の印象を受けるが、果たしていかなるものか。
 「RX‐156。名前はまだ決まっていませんがね。なんでもエゥーゴのZガンダムとかいうのに対抗して開発されたそうですよ」
 驚愕の表情を隠しきれないでいる俺に、傍にいた整備員が得意気に話しかけてきた。
 「そう・・・なのか」
 「ジェネレーター出力は2,230kw。Zガンダムでもここまでは出せないんじゃないですかね。加えて長射程ビームマシンガンと、試験的ながらインコム装備と贅沢の限りですよ」
 「インコム!?何だそれは?」
 俺は耳慣れぬ言葉に一層驚きを深め、整備員に訊いた。
 「我々下っ端にゃよくわからんのですが、なんでも準サイコミュとかいうので普通の人間でもオールレンジ攻撃が可能になるんだそうですよ」
 「それはすごいな!」
 表面上は冷静を装ったつもりだったが、俺はこの新型が欲しくてたまらなくなった。
 「中尉、基地との連絡がつきました。支持を伝えます。『ポラカントスが航行可能な場合は、ポラカントスを当基地ま で護衛せよ。不可能な場合は乗員のスペースランチを誘導しつつ、利用可能な機材は携行して撤収せよ』とのことです」
 結局、ポラカントスはブリッジを潰され航行不能なので、後者のパターンとなった。
 スペースランチの誘導は他の小隊に任せて、俺とハートはあの新型モビルスーツを運ぶことにした。
 途中、敵に狙われるとすれば我々なので、損な役を買って出たことになる。
 新型モビルスーツにバーザムの左肩とレイザックの右肩を貸すようにして、俺たちはポラカントスから飛び立った。
 と、矢庭に後方からビーム光が放たれ、バーザムの膝から下を消し飛ばした。
 「くそっ!」
 敵の残存機がポラカントスに隠れていたのだ。同じ連邦軍の艦といえど、我々には馴染みの薄い大型艦だ。我々の知らないところに敵が隠れ得る可能性はあった。
 「ハート、その新型を壊すなよ」
 俺は、ハート伍長に新型モビルスーツを任せると、ポラカントスにへばりついているガザCへと向かった。
 バーザムのメインスラスターは背部にある。脚部をやられたくらいなら一撃離脱戦法なら可能だ。
 敵もがむしゃらにビームを撃ってくるが、先のはお荷物を背負っていた上に不意撃ちだ。今度はそう簡単に食らうものではない。
 「くたばれ!」
 十分間合いを詰めたところでトリガーを引いたが、即座に撃破するには至らなかったようだ。離脱時に報復を受けた。コクピット直撃ではないが、爆発する。
 「脱出!」
 モビルスーツのコクピットは、そのまま脱出ポッドになる。
 敵のガザCが、続いて俺のバーザムが四散するのがスクリーンの片隅に映った。
 「ハート、こっちもだ。回収してくれ」

                                                                 続く

あとがき(の様なもの)
この第二話も古くは高校時代、テストの余り時間に頭に浮ぶままに問題用紙の裏に書き貫いていたものを1990年秋になって模型研究会の会誌用に整理改変したものを、武器の呼称等一部改良を行ってアップしたものです。
ポラカントスはマイナーな恐竜の名前で、私は艦船の名前をほとんどこの手口で付けています。
ガザCが対MS戦に不向きかどうかは怪しいところですが、そこはイソップ中尉の「主観」ということで。
原案を書いた当時はまだ「センチネル版バーザム」というものが存在しなかったので、どっちかというと近藤版とTV版の折衷(当時フルスクラッチしたのもそうです)を思い描いていましたが、活字化するころには「センチネル版」が世に広められていましたので「こっちのほうがカッコイイし、MkUの後継機らしい」ということで、中尉の乗機もそれにしています。

RMS-154バーザム イソップ=ヤサマ中尉機

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96年に発売されたB-CLUBのガレージキットです(詳しくは前記事参照)。ビームバズーカはドワッジのものなのですが、これは「連邦軍のものをロンメルが強奪して使っている」という設定(ドワッジのプラモの説明書に書いてあったと記憶しています)なので、連邦軍所属機が使っていてもなんら問題はないはず。
肩のイソップ中尉のパーソナルマークは手書きです(「A]と「☆」を掛け合わせました)

   
                        

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センチネル版バーザム B-CLUBガレージキット
だいぶ前に完成させたものなのですが(多分キットの発売が96年なのでそのころだと思います)、私のオリジナル小説「連邦軍の星」の主人公の乗機です。模型研究会会誌での連載は93年春で終了していますから、3年以上経って漸く序盤の主人公機完成というわけです。 ...続きを見る
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2009/12/23 21:08

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