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zoom RSS ガンダム小説 「連邦軍の星」第三話

<<   作成日時 : 2010/01/24 21:31   >>

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               連邦軍の星(第三話)
                             著   Aesop=YASAMA

 やっとの思いで帰還した俺を待っていたのは、マラサイという新たな乗機と他中隊への編入という事実上の左遷であった。皮肉なことに、あのバーザムを潰してまで守り抜いた新型は、普段は戦闘に出ず後方でのうのうとしているだけのエリート佐官―カプチーノ大佐のものとなった。しかも、俺が編入されるという中隊の隊長がこのカプチーノなのだ。
 「なんだ、その機体じゃ不満かね。選り好みするのなら、別にノーマルスーツで出撃してくれてもかまわんのだよ」
マラサイはそれなりに良い機体なのだが、それでも俺の顔は正直だったのだろう。青く塗り替えられているマラサイを見つめている俺に向かって大佐が言った。
 「ち、『選り好みするな』だと、自分はあんな新型の高級機に乗ってよくそんなことが言えたものだ」そう思ったが決して口に出すことはなかった。軍隊では上下関係は絶対なのだ。
 マラサイの塗り替えも終わっていよいよ慣熟飛行かという折り、基地内に警告音が鳴り響いた。
 ついにこの辺境の小惑星基地にもエゥーゴの掃討部隊がやってきたのだ。
 カプチーノ大佐以下、中隊の連中が次々と出撃していく。俺とハート伍長にも、もちろん出撃命令が下った。
 マラサイのコクピットに収まった俺は、出撃O.K.のグリーンシグナルを確認するとスロットルペダルを踏み込んだ。
 旧型ということでバーザムよりは劣るものの、なかなかの加速である。実は俺がこのマラサイという機種に乗るのは初めてではない。バーザムの前にも乗っていたのだが、その頃よりは幾分改良が施されているようだ。
 先に出たカプチーノ大佐機は、早くも交戦状態に入っている。機体性能のせいか、大佐にしては良い動きをしているのが俺の眼にも分かった。確実に撃墜数を増やしているようだが、どうせ相手はGMUやネモといった小物に違いない。
 俺より遅れて出たハート伍長もしっかり後方についてきた。戦闘宙域に入る。
 サラミス改タイプからの艦砲射撃が俺とハートの間を掠めていった。
 「ハート、右だ」
 マラサイのビームライフルもそこそこ優秀な精度は持っているのだが、やはり遠距離の対艦攻撃にはハートのレイザックだ。俺は素直に彼を頼ることにした。
 数条のレーザー光が流れていき、見事敵艦の機関部に命中、撃沈した。
 俺の前にもGMUが2機、ライフルを乱射しながら突っ込んできた。
 「そんな動きでは・・・」
 たちまちのうちに2機のGMUは、マラサイのビームライフルの餌食になった。そう、確かにこの程度の相手ならこの機体―マラサイ―でも十分対応できる。だが、あいつ―Zガンダム―が現れたら・・・。俺は不安だった。
 ふと気付くと大佐の様子がおかしい。どうやら1機の動きの良いモビルスーツに押されているようなのだ。既に護衛の2機のマラサイは破壊されてしまったようだ。
 大佐も必死でビームマシンガンを連射しているようだが一向に当たらない。
 あの動きは・・・。俺の不安はいっそう大きなものとなった。
 カプチーノ大佐の新型機がついに敵のビームに捕らえられた。どうやら致命傷ではないらしい。左腕のシールドが弾き飛ばされた程度だ。
 「新型を粗末にしやがって」
 俺は悪態をついた。
 臆病風に吹かれたのか、大佐は逃亡を始めた。
 「大佐、敵前逃亡は・・・」
 俺は大佐を追った。優秀な装備を持ちながらも戦いを避けるというカプチーノの姿勢が許せなかったのだ。
 マラサイを大佐の新型機に組み付かせる。するとどうだろう、こともあろうにカプチーノはコクピットハッチを開け、宇宙へ。
 気が動転したのか、脱出ポッドがうまく作動しなかったからなのか、とにかく逃げ出したいという気持ちだけが先走っているようだ。
 「イソップ君、そんなにその新型にこだわるなら君にやる。とにかく私は逃げる!」
 カプチーノの声だ。流石に助けてやろうとマラサイのマニピュレーターを差し伸べたとき、前方で爆発したエゥーゴの戦艦の破片が・・・。
 モビルスーツのコクピットに収まっていた俺はどうということはなかったが、ノーマルスーツのみで宙を漂っていたカプチーノは一溜りもなかったようだ。死体すら確認できない。
 俺は、新型を抱えたまま付近の岩陰に隠れるとカプチーノの遺言(だろうか?)どおり、新型のコクピットに乗り換えた。
 計器類はまだ十分生きている。ビームマシンガンのエネルギーも3分の1は残っているようだ。左腕も多少肘関節がいうことをきかない程度で、両腕を用いての精密射撃が出来ない点を除けば問題はない。
 「いけるぞ、この機体なら。あの、敵のつわものにも勝てるかもしれん」
 先程までの不安は何処かへ消え、体中の血が熱くなるのが感じられた。
 「イソップ=ヤサマ。『クリーガー』出るぞ!!」
 勝手に付けたモビルスーツの名を口にすると、俺は再びあの強敵の待つ戦闘宙域へ飛び出していった。
     
                                                                続く

あとがき(のようなもの)
 この第三話からが、模型研究会在籍当時リアルタイムで一から書いたものとなります(それでも初出1991年ですが)。
 ギレンの野望か何かに「ギャン・クリーガー」というのがいるらしいですが、「クリーガー」という名前をMSに付けたのはこっちのほうが遥かに先です。当時、ポケ戦の「ケンプファー」がドイツ語で「闘士」の意味だ。というのを受けて自分のオリジナルMSにドイツ語で「戦士」を意味する「クリーガー」と付けたわけです(立体物や設定画等についてはいずれ公開したいと思っています)。
 「連邦軍の星」は原案も含めると相当長い期間に渡っての執筆となったため、その間にオフィシャルのほうの「ガンダム」の兵器体系が変わったりしてその影響を多分に受けています。
 たとえば「ビームマシンガン」については、「逆襲のシャア」のギラドーガが使用したのが初出なのですが(だからてっきりUC0088以降に開発された兵器だと思っていました。1989年まで)、ポケ戦でゲルググJが使ったので実は一年戦争当時からあったものだということになって「じゃあ、Zガンダムの時代にあってもいいか」ということになりまして・・・。

今回は、レイザックの設定画を掲載したいと思います。

                                                  画 ゲオルグ・ララーシュタイン
画像

RMS-106L レイザック  (画像は91年当時に発刊した会誌からスキャンしたものなので汚れ等はご容赦ください)

頭頂高:18m
本体重量:42.5t
全備重量:61.4t
ジェネレータ出力:1,428kw+389kw(ランドセル内サブジェネレータ分)
スラスター総推力:74,500kg
センサー有効半径:22,600m
装甲材質:チタン合金セラミック複合材+ガンダリウム合金
武装:ミサイルガン,ビームライフル,ビームサーベル,レーザーキャノン×2
 ハイザックを元に開発された長距離支援機。レーザーキャノンのためにランドセル内にサブジェネレータが搭載されている。左肩部にはディスクレドームが装備され、索敵能力が飛躍的に向上している。ビームサーベルは左腕シールド裏に装備され、ハート伍長の技量も相まって接近戦においても高性能を発揮する。

*この機体は、86〜7年当時ハイザックと主にガンキャノンの二個一で作ったプロトタイプ(模型です)をもとに、91年当時私がラフ画を起こし、それを元に模型研究会の同士であるゲオルグ氏にデザインをクリンナップしてもらったものです。
 なお、機体名は模型研究会会誌掲載時は、「レーザー」要素を重視して「レーザック」と表記していましたが、このブログへのアップに際して「ハイザック」の「ハイ」の部分を重視して「レイザック(アルファベット表記なら「RAY(光の意)・ZACKとします)」となりました。
 立体物については現在鋭意製作中です。完成しだいUPしたいと思っていますので、ご期待ください。

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ハイザック長距離支援型=「レイザック」(ハイザックキャノン?)RMS-106L完成!!
2010年3個目の完成品です。構想(小説のラフ)から23年、活字化(模型研究会の会誌に一話が掲載)から21年、友人のゲオルグ氏にデザインをクリンナップしてもらってから19年、やっとの立体物完成です(プロトタイプは23年前にハイザックとガンキャノンのニコイチで作っているのですが)。 製作を始めたのは昨年の9月からですが、途中シャーリーやセンチネルザクに浮気してこんなにかかりました(それでも実質こいつにかかわっていたのは8ヶ月にも及びますが)。 ...続きを見る
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2010/08/05 16:44

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